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柴田 大受; 角田 淳弥; 馬場 信一; 山地 雅俊*; 石原 正博; 伊与久 達夫; 辻 延昌*
Key Engineering Materials, 297-300, p.728 - 733, 2005/11
熱・機械的特性に優れるセラミックス材料は、高温ガス炉の炉内構造物への適用が期待されている。結晶粒径を微細化した3モル%イットリア含有正方晶ジルコニア多結晶体(3Y-TZP)セラミックスは、高温での超塑性現象を利用した圧延加工が可能であり有望な材料であるが、強度に関するデータは炉内構造物へ適用するために必要な設計基準を作るうえでは十分でない。本研究では、3Y-TZPセラミックスについて、室温で引張り,曲げ,圧縮試験を実施し、得られた強度データに基づき設計基準の概念検討を行った。その結果、平均の引張り強度は曲げ強度よりかなり小さく、応力条件下での正方晶から単斜晶への相変体機構を考慮することが重要であることを示した。また、得られた強度データをWeibull理論により確率論的に検討し、ジルコニア製構造物に対する設計基準の概念を提案した。
曽我 猛
Spectrochimica Acta, Part A, 59(11), p.2497 - 2510, 2003/09
ヂメチルスホオキシド((CH)SO)溶液中のギ酸ウラニル((UO(HCOO))の共鳴ラマン散乱スペクトルを、ウラニルの電子励起準位()に共鳴させて測定した。831cmに観測されたウラニルの全対称伸縮振動の相対強度を10本の励起光の波長(530450nm)に対してプロットしてその共鳴ラマンプロファイルを得た。 観測されたラマンプロファイルは電子吸収スペクトルに見られる振電子構造を持つが、これと一致していない。この共鳴ラマンプロファイルをノン-コンドンモデルで電子スペクトルの変換理論を用いて解析し、励起状態()でのウラニルの全対称伸縮振動数を得た。これから、電子励起()によるウラニルの結合距離の変化及び配位子からウラン原子に移動した電子数の知見を得た。その結果、配位子からウラニルに移行してくる電子数は、励起によるウラニルの結合距離の変化と比例関係にあった。共鳴ラマン効果の大きさは一般に種々の要素に依存するが、((CH)SO)-(UOL)(L=Cl,CHCOO,NO or HCOO)溶液系では、おもに共鳴準位への励起によるウラニル結合の原子間距離の変化に依存した。
曽我 猛
Spectrochimica Acta, Part A, 57(9), p.1767 - 1780, 2001/08
ヂメチルスルホオキシド((CH)SO)溶液中の2セシウム塩化ウラニル(CsUOCl)の共鳴ラマンスペクトルを、ウラニルの→(f-f禁制)電子遷移に共鳴させて測定した。830cmに観測されたウラニルの全対称伸縮振動の相対強度を、10本の励起光の波長(530nm~450nm)に対してプロットしその共鳴ラマンプロファイルを得た。これらを電子吸収スペクトルの変換理論を用いて解析し、→電子遷移によるウラニルの結合距離の変化及び配位子からウラニルに移動した電子数の知見を得た。その結果、ウラニルへの配位子数が増加すると、配位子からウラニルに移行してくる電子数は、電子的基底状態ではやや増加するが、電子的励起状態では逆に著しく減少することがわかった。
曽我 猛
Spectrochimica Acta, Part A, 56(1), p.79 - 89, 2000/01
塩化ウラニル(UOCl)-ジメチルスルホオキシド((CH)SO)溶液中で、電子遷移に励起させたウラニルの共鳴ラマン散乱スペクトルを測定した。832cmに測定したウラニルの全対称伸縮振動のピークの相対強度を、励起光の波長に対してプロットして、励起ラマンプロファイルを得た。この励起プロファイルを非コンドン近似で、電子吸収スペクトルの変換論を用いて解析した。その結果、電子励起でU-Oの結合距離は全対称伸縮振動の基準座標に沿って0.119伸びていることがわかった。また、UOL(L=NO,CHCOO,Cl)型のウラニル化合物には、ジメチルスルホオキシド溶液中で、電子励起によるU-O原子間距離の伸びと、励起ラマンプロファイルの変動値とに相関関係がみられた。
大和田 謙
Spectrochimica Acta, Part A, 53(4), p.501 - 507, 1997/00
Arレーザーの10本の励起線を用いて、ジメチルスルホキシドに溶解した三硝酸ウラニル錯塩(RbUO(NO))の共鳴ラマンスペクトルを室温で測定した。レーザー誘起線の波長変化に対し、834cmに観測されたウラニル対称伸縮振動の比較強度をプロットして、共鳴ラマン効果の励起プロフィールを得ることができた。この励起プロフィールは、電子吸収スペクトルの振電構造に類似しているが、完全には重ならないことがわかった。ウラニル錯塩のラマン散乱構造を知るため、Hilbert変換法を応用して、共鳴電子状態の吸収スペクトルからラマン励起プロフィールの算出を試みた。その結果、ウラニル対称振動の共鳴ラマン強度は、主に、基底状態と第一励起状態の振動波動関数のFranck-Condon積分に依存することがわかった。また、non-Condon積分の影響についても簡単に考察した。
西田 雄彦
Japanese Journal of Applied Physics, 19(5), p.799 - 806, 1980/00
被引用回数:3 パーセンタイル:20.69(Physics, Applied)多重スライス理論による電子顕微鏡像の計算に基いて(110)面上のシリコン結晶の高分解能構造像解析を行った。パラメータとして、結晶の厚さ,焦点外れ,対物レンズの絞りの大きさ,色収差や結晶方位の微小な傾き角を考慮し、像形成のための条件を検討した。その結果、最適像を得るには結晶の最適な厚さが存在し、又そこでは、最適な焦点外れ領域が周期的に現われることが分った。更に色収差や結晶の傾きの影響に対する許容範囲を検討した。